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理系学生は気になる博士課程修了後の就職事情 
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理系学生は気になる博士課程修了後の就職事情 

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理系学生が大学卒業後の進路として浮かぶのは企業への就職とともに大学院への進学ではないでしょうか。実際に、文部科学相の統計でも、文系の大学院進学は1割にも満たないのに対し、理学部や工学部の理系学生の大学院への進学率は、理学部が4割以上、工学部が3割以上と高い割合が示されています。

しかし、大学院進学を考える際に、考える必要があるのは大学院修了後の進路です。そして、進路の一つとして、博士課程があり、理学系の大学院生の2割近くが博士課程への進学を選択しています。大学院後の進路については、多くの情報がありますが、大学在学時に博士課程についてはあまり情報を手にいれる機会も少ないのではないでしょうか。

そこで今回は、博士課程に焦点をあて、博士課程修了後の就職事情についてお伝えしていきます。

そもそも博士課程修了って何?

大学を卒業することで学士を取得することができ、大学院を卒業することで修士を取得することができます。では、博士課程とはどのようなものなのでしょうか。

博士課程とは、修士課程修了後に進む大学院の課程のことです。原則3年間の研究期間を経て、必要単位を取得することで博士課程修了となります。しかし、ここで注意する必要があるのは、大学の学士や大学院の修士とは異なり、博士課程修了者が博士号取得者ではないということです。

博士号を取得するためには、博士課程の中で必要単位を取得し、かつ、博士論文を学位審査会に提出し、博士号を認められる必要があります。そのため、博士課程修了者の中には博士号を取得者と博士号を未取得者が存在するのです。一方で、博士課程を修了せずに、学会に論文を提出し、認められることで博士号を取得する人もいます。これを一般的には論文博士といいます。

博士号を取得することで、Dr.の肩書き持つことが許され、社会的にも研究者を名乗ることができます。博士課程進学者の目的は、博士号の取得であるといえるでしょう。

博士課程の就職先と職業

それでは、博士課程の就職先を見ていきましょう。平成27年度学校基本調査(文部科学省)によると、理系の博士課程修了者が正規職員として就職する割合は、理学で39.1%、工学で56.2%です。就職先としては、理学であれば、大学・高専などの教育機関が50%という半数を占め、公的な研究機関は10.5%、民間企業は31.9%です。工学は、大学・高専などの教育機関が36%、公的な研究機関は7.3%、民間企業は44.7%です。

職業としては、科学研究者や大学教員、専門的技術者になる割合が高く、非研究職が理系の場合は、4%にも満たないことから、博士課程修了者は、自身が研究してきた分野で仕事をする、研究に携わることを選択する人が多いことがわかります。

正規職員以外の半数近くの人たちの進路はどうなっているのか?

正規職員として、就職した人が理学で39.1%、工学で56.2%だとすると、気になるのは残りの5〜6割の博士課程修了者の進路です。実は、そのほとんどが教授への就職を目指すため、ポスドク(ポストドクター)を選択します。

ポスドクとは、博士号を取得した後も大学で研究を続け、助手や准教授のポジションに就職するまでに得るポジションのことです。ポスドクには任期があり、3〜5年が一般的でその間に設定した研究テーマ(もしくは、設定された研究テーマ)について研究を行い、博士課程同様、論文を学会に提出していきます。ポスドクから助教、講師、准教授といった形で昇進をし、最終的には教授職を目指します。昇進は、主に論文数や著書、特許本数、教育実績で評価をされるため、コンスタントに研究結果を発表することが求められます。

各大学、教育機関にはもちろん教授枠に限りがあり、それと同じくポスドクの昇進先である助教枠にも限りがあります。そのため、その限られたポジションを目指して、多くのポスドクが研究と論文提出を繰り返しているのです。博士課程の一つの目標は、博士号取得ですが、教授を目指す場合には、ゴールではなくスタートともいえるでしょう。

ポスドク選択の理由と背景

博士課程修了者がポスドクを選択することには、もちろん自身が長年携わってきた研究を続ける、大成させるという理由がある一方で、博士課程修了者を民間企業が採用する割合が少ないことも挙げられます。

同じく文部科学省が発表している博士課程学生の進路実態によると、日本国内で平成25年に博士課程修了者を採用した民間企業は、1,128社中、118社しかおらず、これは全体の10.5%にしか至りません。逆に、学士取得者が23.4%、修士号32.7%であることからも、博士課程に進むと民間企業への就職が難しくなるという結果です。これには2つの理由が考えられます。

1)博士課程修了者の供給多過

昭和60年時点では年間5,000人の博士課程修了者が誕生していましたが、年を追うごとに増え続け、2015年時点では年間、約15,000人が誕生しています。この30年で3倍以上の増加がありますが、教育機関の教員採用者数は少子高齢化等を背景に増加していません。そのため、ポスドクとなり研究を続けながら就職機会を探す博士課程修了者が増えています。

2)民間企業の受け入れが整っていない

文部科学省の民間企業の研究活動に関する調査によると、博士課程修了者を採用しない理由として、「特定分野の専門的知識を持つが、企業ではすぐに活用できない」や「企業内外の教育・訓練によって社内の研究者の能力を高める方が効果的」という理由を挙げています。このことからも、企業は独自の研究を続けてきた博士課程修了者の採用よりも、独自の事業分野や業務分野に適した研究開発者の育成に重きを置いていることがわかります。

博士課程修了者が研究開発色や教育機関、公的機関への就職者が多い一方で、民間企業への就職が修士取得者よりも難しい現実があります。博士課程は、大学卒業後に少なくとも5年間の期間を必要とし、しかも博士号取得が約束されているわけではありません。

博士課程では、自身の研究分野の成功のため、継続的に論文作成と提出を繰り返す忍耐力と博士課程中には生きていくための金銭的な工面も必要です。大学院進学や博士課程進学を考える際には、自分自身の研究テーマといかに向き合えるかということも重要な要素だといえるでしょう。

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