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業界研究

家電業界の日々情報収集を怠らない意識 
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家電業界の日々情報収集を怠らない意識 

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将来の就職先として、家電業界を視野に入れているエンジニア志望者は多いことでしょう。しかし昨今では日本の大手家電メーカーの倒産や経営不振などから、今後の先行きを危惧する声が挙がっています。では家電業界の今後はどのようなものになるのでしょうか。これまでの日本の家電業界と現在の様子を比べ、エンジニアを目指す人にはなにができるのかを考えてみましょう。

 

これまでの家電業界を振り返る

家電業界は自動車業界とならんで、日本の貿易黒字を支えてきました。「良い商品をつくる」と世界でも評判だった日本の家電メーカーですが、共産圏経済が崩壊し世界市場が統合すると、中国の市場開放で一気に市場が広がりました。新興国の発展が起きたことにより、アジア各国からも優秀な企業や商品が日本に参入してくるようになります。日本企業はこれまでの成功体験をもとに「良いものは売れる」と考えてきましたが、市場は新興国に移り消費者の要求は変化しました。「品質は良いけど高い商品」は売れなくなり、「安い商品」か消費者にとっての特別な魅力がある「高いけど良い商品」しか購入されなくなりました。日本企業が気づかないうちに市場が少しずつ変わっていったのです。その変化はリーマンショック後に、ますます加速していきます。以前成功していたビジネスモデルが成立しなくなったのにもかかわらず、根本的なモデルを変更・修正できなかったことが日本の家電業界の不振と指摘されています。

 

家電業界のいまを知ろう

大手電機メーカーと呼ばれる企業8社(日立製作所、パナソニック、東芝、三菱電機、ソニー、シャープ、NEC、富士通)はどこも家電を手がけているものの、家電に特化することなく、事業領域を年々拡大しています。高度経済成長以降、テレビ事業は日本の得意分野として名を馳せていましたが近年では新興国の参入により、韓国や台湾、中国などに市場を奪われています。優れた液晶パネル技術が価格競争を呼び、日本メーカーは太刀打ちができなくなってしまったのです。

また富士フィルムはフィルムカメラ依存から脱却してデジタル化を急ぎましたが、コダック社はそれが間に合わなかったためにあえなく倒産をしてしまいました。この差は「市場の変化を素早く察知できたかどうか」にあります。

たとえばパナソニックと日立製作所は大手8社の一部ですが、日立製作所は電力や鉄道、IT技術などのソリューション事業を、パナソニックは空調や住宅、白物家電を中心に事業展開をしています。しかしパナソニックは2012年3月期に7,721億円の、2013年3月期には7,542億円の大赤字を計上しましたが、日立製作所は同時期に1,753億円、2,649億円の黒字を達成しているのです。事業戦略の違いで、売り上げにこれだけ多くの差が開いてしまいます。まさに「時代と市場の流れを読むことで、家電業界の明暗は分かれる」のです。

 

消費者自身が気づいていない課題を見つけよう

現在の家電業界はしばしば、「コモディティ化している」と表現されます。コモディティ化とは、競合する商品同士の差別化特性がなくなり、価格や買いやすさだけを理由に選択がおこなわれることです。これでは消費者に自社の製品を選んでもらうことはできません。「この商品はほかと違って便利だからほしい」といったように、オリジナリティが光る製品で差別化を図るなど、他社の商品とは違う魅力をアピールすることが大切なのです。

たとえば掃除機は、これまで「音がうるさくて当たり前のもの」と考えられてきました。そこへ、スウェーデンのエレクトロラックス社は独自の静音技術を活かし、静かで使いやすい掃除機を発売したのです。「どんなときでも気兼ねをせずに掃除ができる」というメリットを商品に付加し、一躍脚光を浴びる商品となりました。このように顧客が気づかないニーズを探し続け、自社の強みを活かしつつ新商品の開発を続けることで売り上げ増加のチャンスをつかんでいくのです。

高度成長期、日本の家電メーカーは優れた技術で業界の外国企業を圧倒していました。しかしバブル崩壊後25年が経ち、技術面を磨くことには成功しても、顧客のニーズに寄り添ったり、トレンドを先取りしたりするパワーはいまだに弱い部分があります。「市場のコモディティ化」とは裏を返せば、多くの競合企業が商品の価値を訴求できていないことでもあります。顧客が求めているものはいったい何なのか、顧客自身も気づいていない潜在的なニーズを汲み取ることが今後の家電業界のカギとなるのです。

家電業界を目指すエンジニア志望者は、そのような視点を持ちながら自分が業界で働いたときにはどんなことができるのか熟考する必要があります。業界にまつわるニュースなど、日頃から情報収集を怠らないよう意識し続けましょう。

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